シンプル is ベストという言葉があるように、シンプルに考える事は判断力・判断スピード・メンタル力を上げてくれます。
こちらの書籍を本屋さんで立ち読みした時に「これ私の職場あるある!」と思ったので、購入してみました。
エッセンシャル思考は「ビジネス・株・日常生活」なんにでも応用できる考え方です。
集中力・判断力を上げたい、なぜ優秀な人ほど方向性を見失ってしまうのか?
‥と気になるキーワードがありました。
本の半分くらいがマンガなので、ふだん読書習慣がない方でもスラスラ読めると思います。
(マンガにしては珍しく誤字を3つ程発見しました)
読んでみて、私がすでに実践している内容もありましたが、「集中力を上げて仕事を最速で仕上げる」とか、「90点ルール」などなんとなく理解していたものをしっかりと自分の中に取り入れる事ができました。
特に参考になった部分や、皆さんにも知って欲しい内容などを書いていきます。
私の勉強記事になっているので、長いです。
原書はこちら↓
- 1 あらすじ
- 2 人はなぜ方向性を見失う?
- 3 優秀な人程失敗しやすい
- 4 少数の重要な事を見分ける
- 5 多数の重要じゃない事を切り捨てる
- 6 ムダな努力をせず、自動化(しくみ化)する
- 7 見極めるために考える時間を作る(孤独)
- 8 自分の中にある子供の声を聞く(遊び)
- 9 90点ルールで大切な事だけ選ぶ
- 10 チャンスを正しく選別する
- 11 目指すゴールを完全に明確にする(本質目標)
- 12 本質目標を見つける
- 13 上手な断り方を知っておく(拒否)
- 14 損切りの重要性
- 15 仕事とプライベートの線引き
- 16 最悪の事態を想定する(バッファ)
- 17 小さな1歩を積み重ねる(前進)
- 18 今何が重要かを考える(集中)
- 19 エッセンシャル思考で「今この瞬間を生きる」
- 20 悪い癖を正しい習慣に変えるには?
- 21 まとめ
あらすじ
小学校に勤務する優秀で真面目な女性の教師が主人公です。
嫌な仕事や無理な仕事でも、どんどん引き受けて本当にやりたいことが分からなくなってしまう。
そんな主人公が99%の無駄を捨てて本当にやりたい1%をつかむ物語。
全部手に入れよう、全部やろうとするうちに何かを失っていく。
自分の時間とエネルギーをどこに注ぐか決められずにいるうちに、上司・同僚・顧客・家族など、誰かが私達のやるべきことを決めてしまいます。
そうして「思考停止」に陥り、自分にとって何が本当に大事なことなのか分からなくなってしまう。
人はなぜ方向性を見失う?
・他人の意見がうるさすぎる
・欲張りな時代である事
何が大事で何が大事じゃないのか見分けられなくなっている「決断疲れ」。
インターネットやSNSから他人の意見がなだれ込み、ああすべきこうすべきとうるさく指図される事によるプレッシャー。
何でも手に入れる人が凄い人、会社でも何でもできる人が求められる。
いくつもの事を同時にできる人が優秀な証だという考えが蔓延しています。
人々は忙しい日々の中にもっと多くの活動を詰め込もうと奮闘している。
よく考えずに仕事を引き受け、なんでこんなことをやっているんだろうと思った事はありませんか?
相手の機嫌を損ねないためだけに依頼を引き受けていませんか?
イエスということに慣れすぎて、思考停止していませんか?
どうでもいい作業に追われて仕事ができないと感じたことは?
常に走り続けているのに、どこにもたどり着けないような気がすることはありませんか?
どれも大事で、どれも選べないというのが「非エッセンシャル思考」の考え方。
より少なく、しかしより良くを目指す
99%の無駄を捨てて、1%に集中する考え方。
たくさんある重要じゃない事の中から本当に大切な1%(本質)を見分ける力が必要になります。
「今、自分は正しいことに力を注いでいるのだろうか?」と絶えず問い続けるのは、エッセンシャル思考の生き方です。
やらなくては→「やると決める」
どれも大事→「大事なものはめったにない」
全部できる→「何でもできるが、全部はやらない」
このように変換して、最高のパフォーマンスを発揮させる事が可能になります。
しかし、エッセンシャル思考を身につけるのは簡単なことではない。
慣れ親しんだやり方、そしてそれを当たり前と思う人々が常に私たちを引きずり戻そうとします。
優秀な人程失敗しやすい
できない人より優秀な人の方が、自分にとって大事なことを見分けられなくなることも多い。
・断ることを極端に嫌う世の中の風潮
・断ることが悪いことのように思い込んでいる
優秀な人が失敗しやすいパターン
①目標をしっかり見定め、成功へと一直線に進んでいく
↓
②成功した結果、頼れる人という評判を得る「あの人に任せておけば大丈夫」と言われ、どんどん多様な仕事を振られるようになる
↓
③やることが増えすぎて時間とエネルギーがどんどん拡散されていく、疲れるばかりで全てが中途半端になる
↓
④本当にやるべきことができなくなる、成功したせいで、自分を成功に導いてくれた方向性を見失ってしまう
成功を求めることによって、人は失敗してしまう
成功した人は何でもやろうとしすぎて、そもそも何をやっていたか忘れてしまう。
欲張ってマルチタスクで何でもやろうとして、忘れてしまう(笑)
人に頼られ、様々な依頼をこなすことで成功してきたという体験から、そのやり方が「正しい」と信じてしまう。
努力の方向性を絞れば遠くまで進むことができる
エッセンシャル思考は、より多くの事をやり遂げる技術ではない。
自分の時間とエネルギー(努力)を最も効果的に配分し、重要な仕事で最大の成果を上げるのが、エッセンシャル思考。
エネルギーの使いどころを必要最小限にすることで、一番重要な物事において最大の成果を上げる。
不要なものを捨て、人生をシンプルにする
エッセンシャル思考の人は適当に全部やろうとはしません。
トレードオフ(何かを取るために何かを捨てる)を注視している。
この決断力があると、この先やってくる数々の決断も簡単にできる。
エッセンシャル思考は、やるべきことを正確に選び、それをスムーズにやるための効果的な仕組み。
不要なことを的確に見定め、配慮していくためには無意味な雑用を断るだけでなく、魅力的に見えるチャンスを切り捨てることも必要になります。
エッセンシャル思考を邪魔しようとする力が数多くあることも事実です。
多くの人は非エッセンシャル思考へと迷い込んでしまいます。
エッセンシャル思考の人は流されません。
たくさんの重要でない物事の中から、少数の本質的なことだけを選び取ります。
不要な物はすべて捨て、歩みを妨げるものを全て取り除いていきます。
こちらの書籍でも言われていました↓
あなたは働けなくなったら、どのように生活していきますか?門下生わか私は国・親に頼るって事くらいしか思いつきませんでした・・「ビンボーは心の病、稼ぐ事ばかり考えるとお金がなくなる」「収入を労働という[…]
お金持ちの人は部屋が整頓されていて、同じく思考もシンプルで整頓されている。
だから、間違えず決断も早いし、正確な判断ができる。
・見極める技術
・捨てる技術
・しくみ化する技術
これら3つがエッセンシャル思考には必要になります。
非エッセンシャル思考 | エッセンシャル思考 | |
考え方 | みんな・すべて 全てやらなくては どれも大事 全部こなす方法は? | より少なく、しかしより良く これをやろう 大事なことは少ない 何を捨てるべきか? |
行動 | やることをでたらめに増やす ・差し迫ったものからやる ・反射的に「やります」と言う ・期限がせまると根性で頑張る | やることを計画的に減らす 本当に重要な事を見定める 大事な事以外は断る あらかじめ障害を取り除いておく |
結果 | 無力感 ・何もかも中途半端 ・振り回されている ・何かがおかしい ・疲れ切っている | 充実感 質の高い仕事ができる コントロールしている 正しいことをやっている 毎日を楽しんでいる |
意識の高い系従業員に多い気がします。
少数の重要な事を見分ける
エッセンシャル思考の人はそうでない人よりも多くの選択肢を検討します。
非エッセンシャル思考の人はあらゆる話に反応し、何でもとりあえずやってみます。
ですから、多くのことに手を出しますが、全て中途半端な結果しか得られない。
エッセンシャル思考の人は何かに手を出す前に幅広い選択肢を慎重に検討します。
そして「これだけは!」ということだけを実行します。
行動を起こす数は少ないですが、やると決めたことについては最高の結果を出します。
正しいことを、正しい時に、正しい方法でやる
どうすれば最高の結果が出せるか?
↓
正しいことを・正しい時に・正しい方法でやるには、基準を厳しくするしかありません。
書籍の例では「良いチャンス」をネット検索しています。
なんとなくよさそうなものが、たくさんでてきます。本当に重要なものを見分けるために絞っていきます。
・自分は何が好きか?
・どんな事が得意か?
・世の中の大きなニーズに貢献できるのは何か?
立ち止まって最短コースを考える
・じっくりと考える余裕
・情報を集める時間
・遊び心
・十分な睡眠
・何を選ぶかという厳密な基準
この5つが必要。
忙しく動き回ることを有能さの証だと思ってる人は、考えたり眠ったりする時間をなるべく減らそうとする。
ですが、立ち止まる時間は無駄な寄り道ではなく、前に進むための最短コースを教えてくれます。
エッセンシャル思考の人はなるべく時間をかけて調査検討し、意見を交わし、じっくりと考えます。
そうすることで初めて本当に重要なものを見極めることは可能になります。
多数の重要じゃない事を切り捨てる
クローゼットの中身を片付けないで、そのままにしていたら散らかりますね。
たとえ思い切って、捨てたとしても整理する方法を確立しない限り、またぐちゃぐちゃになってしまいます。
何が必要で何が不要なのかを判断できなければ、クローゼットはまた不要なものでいっぱいになっていく。
人生もクローゼットも同じで、必要なものと不要なものを区別できなければ、どうでもいいことで埋め尽くされてしまう。
捨てる仕組みを作らない限り、やることは際限なく積み上がっていくばかりです。
もしも、選択の権利を放棄するなら、他人があなたの人生を決めることになります。
自分でこれを捨てると決めなければ、誰かがあなたの大切なものを捨ててしまいます。
考えるべきは何にノーと言うか
いざ捨てようとすると「やっぱりもったいない!」という気持ちに付きまとわれます。
人は自分が所有しているものを実際より高く評価しがちだからです。
これをいつか使う可能性があるだろうか、ではなく「これをまだ持っていなかったら今からお金を出して買うだろうか?」と考えるとよい。
買うと言い切れないならそれは必要がありません。
これは仕事でも生活でも同じです。
もしも、この話が来ていなかったら、自分から積極的にチャンスを求めに行くだろうか?
転がり込んできたチャンスに「ノー」と言うことができなければ、ただ成り行きに流されるだけで終わってしまいます。
考えるべきは何にノーと言うか?
仕事や人生の決定打となるブレイクスルーは、不要なものを切り捨てることから始まるのです。
捨てることで自分の評価を高める
周囲に認められたいという思いから何でも引き受けてしまう人は多い。
出来る人は「ノー」と言う、これは自分の仕事ではないと言える。
不要なことを捨てるためには、誰かに頻繁に「ノー」と言わなくてはなりません、
なるべく相手を傷つけず、上手く頼みを断るためには勇気と思いやりが不可欠です。
ただ、捨てるだけでなく、捨てることで自分の評価が高まるようなやり方を身につける。
上手く捨てる技術があれば、同僚や上司や顧客の反感を買うどころか、むしろ賞賛されるようになります。
努力と根性でやり遂げるのではなく、なるべく努力や根性が入らないように持続的に実現するような仕組みを作る。
ムダな努力をせず、自動化(しくみ化)する
何かをやり遂げるには強い意志と多大な努力をして頑張らなければ実現できないと思われています。
エッセンシャル思考の考え方は、努力と根性でやり遂げるのではなく、なるべく努力や根性が入らないように持続的に実現するような仕組みを作るのです。
エッセンシャル思考とは、いわば人生のクローゼットを整理する仕組みと同じことです。
思い切って1度やれば終わりというものではありません。4月に1度のイベントでもありません。
クローゼットを常に綺麗に保っておくには、そもそも散らかさない仕組みづくりが不可欠です。
しくみ化すれば根性や努力は無用
クローゼットをキレイにする時、不用品を入れる大きな袋と必要な物を入れる小さなスペースを用意します。
そして、ゴミの回収日はリサイクルショップの場所を把握し、定期的に服を処分しに行く日を決めておきます。
こうして一旦やるべきことを決めたら、それを常に実行できるようにします。
どんな基準で捨てるべきものを残すべきものを決めるか、捨てるものはどこに集め、いつどのように処分するか、毎回のように頭を悩ませるのではなく、それらを仕組み化しておき、いつでも「無意識に」「自動的に」できるようにしておきます。
クローゼットが溢れ返るまで放置し、苦労して片付けるのではなく、綺麗になる仕組みを日々の行動に組み込んで散らかることを未然に防ぐ、これがエッセンシャル思考です。
本来、人は楽をしようとする生き物ですですから、何の苦労もなくスムーズに正しい行動ができるようにしておく。
服は同じ場所にとどまってくれますが、仕事や用事は勝手にどんどん増殖していきます。
確固としたルールとやり方を決めておけば、仕事や用事を頼まれる度に「イエス」か「ノー」かの決断に悩むことがなくなります。
本当に必要なものとそうでないものを、感情を挟むことなく「自動的に」より分けていくことができます。
三つのサイクルを回していく
しくみ作りには少し時間がかかりますが、1度作ってしまえば不具合がない限りそれを常に活用することができます。
たとえ不具合があっても、その部分を修繕していけばいいのです。
このしくみ化ができるようになれば、他人の期待に振り回されず、自分が大切にしたい本質的な物事をより分けることができます。
「見極める・捨てる・しくみ化する」は、一つの輪のように繋がりあっています。
何かを選ぶために何かを捨てることを「トレードオフ」といいいます。
トレードオフが起きる時は、どちらも捨てがたい状況の時です。
非エッセンシャル思考の人は、「どうすれば両方手に入るか?」と考えます。
しかし、全てを優先するのは、何も優先しないのと同じです。
エッセンシャル思考の人は、もっとも大切なものだけを選びます。
「何を諦めるのか」ではなく、「何に全力を注ごうか」と考える。
家族、友人、健康、仕事、それらの利害が衝突した時「自分がどの問題を引き受けるか?」問われます。
見極めるために考える時間を作る(孤独)
仕事が忙しくなればなるほど、考える時間を確保することが必要になる。
多数の重要じゃない事の中から少数の重要なことを見極めるためには、誰にも邪魔されない孤独な時間が不可欠です。
まともにモノを考える時間がなければ、自分のキャリアも企業の展望も見えないまま目の前の重要じゃない問題に追われ、いつ果てるとも知れないプレゼンや議論にどんどん時間を奪われています。
非エッセンシャル思考の人はとにかく目の前のことに反応します。
聞いたばかりのチャンスに飛びつき読んだばかりのメールに返信します。
ですが、エッセンシャル思考の人はすぐに飛びついたりせず、調査と検討にたっぷり時間をかけることを選びます。
何事もまず選択肢を調べないことには、本質を見極めることができません。
ノイズに満ちてくれば来るほど、静かに集中して考えることができるスペースが必要になってくる。
エッセンシャル思考における集中とは、単に1つの問題を考え続けることではなく100の問題をじっくり検討するための余裕を確保することにあります。
1日に2時間、1年に2週間、毎朝5分でもOK。
忙しい日常から離れ、自分だけでいられる時間を自分の生活に取り入れてみてください。
情報をフィルタリングする
情報を整理する。
大切なものとそうでない物を選り分ける時に必要なのが本質を見抜く目です。
長ったらしい話や文章を、
つまりは「〇〇だと要約する力」。これが本質を見抜く力です。
書籍にはジャーナリズムを例に出しています。
ジャーナリズムとは、単に事実を繰り返すことではなく、核心を見抜くこと。
どんどん飛び込んでくる情報や選択肢をきちんとフィルタリングし、本質だけを抜き出すことが必要、普段からトレーニングする必要があります。
自分の中にある子供の声を聞く(遊び)
本当に重要な物事を見極め、クリエイティブな発想を得るためには遊び心が必要。
遊びは選択肢を広げてくれる。
遊びはそれまで気づかなかった可能性や思いがけない繋がりに気づかせてくれます。
脳の高度な機能を活性化させると研究で示されています。
遊びは、脳の実行機能に良い影響を与える。
実行機能とは、計画優先順位づけ・スケジューリング・予測・委譲・決断・分析などビジネスでの成功に不可欠なスキルを多く含むと言われています。
90点ルールで大切な事だけ選ぶ
物事を選ぶ際に迷わないコツは、基準をとことん厳しくすること。
絶対に「イエス」だと言い切れないなら、それはすなわち「ノー」だと考えるのです。
絶対にやりたいか、やらないかの二択にするのです。
もったいないと思うかもしれません。
テストで65点を取った時の気分、そんなパッとしない気分のものをわざわざ選ぶ必要があるでしょうか?
人生は有限ですから、あれもこれもすべてはできません。
何かを選ぶときは、何かを捨てなければなりません。
他人や世の中や偶然に決められるのではなく、自分自身で選ぶ自由です。
「選びたいから」選ぶ。
チャンスを正しく選別する
選択肢から何を選ぶかも難しいですが、もっと難しいのは思わぬチャンスが転がってきた時です。
・条件の良い転職の誘い
・お金になるプロジェクト
・以前からやりたいと思っていた仕事
「こんないい話は今を逃したらもうないかもしれない」
目の前に転がっているチャンスを逃すなんて、あまりにも勿体無いと思うかもしれません。
しかし、これを選んだせいで数日後にやってくる、理想的なチャンスに「ノー」を言うことにならないでしょうか?
直ちに90点以上だと判断できない時・・
①そのチャンスについて記述する
②考慮に値するチャンスの最低限の基準を三つ書き出す
③考慮に値するチャンスの理想の基準を三つ書き出す
これしかないと思えることを1つだけ見つけることです。
目指すゴールを完全に明確にする(本質目標)
あなたの目的や戦略は明確ですか?
これからの5年間で、どんな仕事を成し遂げたいですか?という問いにとことん明確に答えられる人は多くないと思います。
目的が明確さを欠く場合、結果は大抵「悪い方向」に向かっていきます。
目的が明確でなければ、人を動かすことはできません。
会社の目的やメンバーの役割が明確でない場合、社員は混乱し、ストレスを抱え込み、どうでもいいことに時間とエネルギーを浪費します。
社内政治が蔓延する
仕事のゴールが見えず、どうすればいいのかわからないので、上司の歓心を買う。
本来なら仕事に注ぐエネルギーと時間は、上司のご機嫌取りに使われて生産性を著しく落とす行為。
日常生活でも、人の目を気にし、SNSやオンラインゲームにのめり込み大切な人との時間を蔑ろにするという事が起こり得ます。
なんでも屋になる
リーダーの求心力がなくなり、各自がバラバラに動き出します。
会社の明確な方向性が見えないので、それぞれ目先の利益のために行動するようになります。
各自が別々の方向に進んでいたら、どこにもたどり着けません。
それは仕事以外にも当てはまります。
色んな事に手を出していたら、本質的なゴールにたどり着けない。
本質目標を見つける
全体の目的と個々の役割がとことん明確になっていれば、チームは驚くほどの力を発揮できます。
エネルギーが同じ方向に向い、相乗効果が生まれるから。
「本質目標」を正しく決めれば、その後の無数の決断が不要になります。
シンプルで・具体的で・刺激的で・測定可能な目標を選ぶ
書籍では「インターネットがまだ普及していなかった時代」イギリス政府のプロジェクトリーダーを例に出しています。
「2012年までに、イギリスのあらゆる人がインターネットを使えるようにする」
優れた本質目標を設定するために
・言葉に囚われない事
響きのいいパスワードに引きずられ、形だけで中身のない文章ができあがってしまいます。
「たった一つのことしかできないとしたら、何をするか?」
・達成をどう判定するか
中身が大事と言っても全く人の心を動かさない言葉では意味がありません。
美辞麗句は必要ないが、具体的ではわかりやすい言い方が良い。
具体的でリアル。リアルだから、心を動かす。
達成をどうやって判定するのか?という質問に答えられるくらい明確に。
上手な断り方を知っておく(拒否)
何かを依頼したことのある人なら曖昧なまま引き延ばされるよりも、はっきり断られる方がいいこともありますね。
できないと分かっていながら、
「上手く行くように動いてみます」
「多分大丈夫だと思うんですが‥」
‥と言い、結局できないのが最悪です。
曖昧にしておいて、結局断るぐらいならその場ですぐに断る方が相手へのダメージも少ない。
上手な断り方を身に付ける
エッセンシャル思考の生き方は、ノーを言い続ける生活です。
上手な断り方を何種類も身につけておく事が必要です。
書籍では上手な断り方として以下の例が出されています。
・とりあえず黙る
気まずい沈黙を怖がらず、沈黙を味方につけましょう。
イエスマンは非エッセンシャル思考。
・代替案を出す
相手に歩み寄りながら断りましょう。
・予定を確認して折り返す
一旦時間を置いて考えると、断ることは容易になる。
・自動返信メールを利用する
ただいま、電話orメールに出る(返信)することができません。折り返しお電話(返信)いたしますなど。
・どの仕事を後回しにするか?
上司の頼みなど、単に「ノー」というのが難しい場合もあります。
トレードオフを相手に意識させましょう。
・冗談めかして断る
親しい間柄では、○○さんはこれが苦手・嫌いだよね?って分かっている事が多いです。
・肯定を使って否定する
いくらかは力になりたいけれど、全面的に巻き込まれたくない場合に極めて有効。
・別の人を紹介する
誰がやってもいい場合が多いので、他の人に回してしまいましょう。
「ノー」といえることは、優秀な人の必須スキルです。
練習すれば、だんだん技術が身についてきます。
試行錯誤を重ね、腕を磨いていけば、断り方のレパートリーも増えてきて、断り方が上手くなってきます。
損切りの重要性
ここでやめたら今までの投資が無駄になると思うあまりに、希望のない投資を重ねてしまう心理的傾向を「サンクコスト(埋没費用)バイアス」といいます。
・クレーンゲームのために何千円も使ってしまう人
・株で含み損が広がっているのに損切りできない人
授かり効果
例えば、思わぬチャンスが舞い込んできた時「このチャンスを逃したらどう感じるか?」と考える代わりに、「もしも、まだこのチャンスが手に入っていなかったら手に入れるためにはどれだけのコストを払うか?」と考える。
あるいは長期化している仕事のプロジェクトに対して、もしまだこのプロジェクトに参加していなかったら参加するためにはどんな犠牲を払うか?と考えてみる。
現状維持バイアス
いつもやっているからという理由でそれを止められない傾向の事。
会社や部門で予算を立てるとき、普通は前年度の実績をもとに考えますが、それを無視してゼロから考えるという方法もあります。
ゼロベース予算というやり方。
手間はかかりますが、現状にとらわれず効率的なリソース配分ができ、無駄を省くことができるというメリットがあります。
これはお金の使い方や人間関係などあらゆることに応用できます。
まっさらな状態で時間やお金エネルギーの使い方を改めて考えましょう。
試験的に止めてみて本当にやめる
大まかなモデルを作成し、本格的に取り組む価値があるかどうかを試してみるやり方です。
事業創造でも似たような事が言われていました↓
何かを辞める時も応用する。
本格的に撤退する前に簡単な形で試してみる。
今やっていることを試験的に止めてみて、不都合があるかどうかを確かめるのです。
利益に貢献するとは思えない手間がかかりすぎる報告書や、顧客や友人や家族のために苦労してやっていることをただ惰性で続けていることを見直してみる。
相手にとって何の意味もなかった‥ということがあるかもしれません。
その行動を一旦やめてみるか、あるいは簡素化してみましょう。
そして、しばらく様子を見て、特に誰も困らないようならやめてしまった方が良い。
何かをやめることはそう簡単ではありません。
しかし、自分の失敗を認めることが成功への近道です。
やめるスキルを身につけられれば、人生はもっとシンプルになります。
仕事とプライベートの線引き
人生で最も大事なものを選び、自分の大切なものを守るためには、この先ゆずれないという線引きが必要です。
仕事でもプライベートでも、自分が何を優先するか、何が妥協できて何ができないのか、その境界線をあらかじめ明確に引いておきます。
自分の境界線を知る為には、他人に侵害されたと感じた出来事をリストアップしてみるのがいい。
イラっとする出来事があれば、それが境界線のヒントです。
気乗りしないイベントに無理矢理誘われたとか、頼んでもいないのにいい話を持ってきたとか、そこで嫌な気持ちになったらそれがあなたの境界線かもしれません。
あなたがイラとした事を他人も同じくイラっとするとは限らない事も覚えておいて欲しいのじゃ。
最悪の事態を想定する(バッファ)
物事が予定通りに進まない、設定した日に終わらない、なぜかいつもそうなってしまう。
非エッセンシャル思考の人は、条件に恵まれたケースを前提として予定を立てようとします。希望的観測に従って生きている。
・5分もあれば着くだろう
・この作業なら金曜日までに終わるんじゃないかな
・本気を出せば半年で完成する
エッセンシャル思考の人は、万が一に備えてバッファー(緩衝)をとり、予定外のことがあってもペースを取り戻せるようにしておくのです。
・徹底的に準備する
やってくる苦難を予測することはできませんが、何が起こってもいいように徹底的に準備をすることが成功につながる。
・見積もりは1.5倍で考える
計画錯誤(プランニング・ファラシー)という言葉があります。
作業にかかる時間を短く見積もりすぎる傾向のことです。
私達はたとえ経験のある作業だとしても、当初の想定より遅れる傾向があります。
見積もりを1.5倍で考えておくと、遅れそうになって焦ることもないし、思ったより早くできた時は余った時間がご褒美のように感じられます。
①このプロジェクトには、どんなリスクがあるか?
②最悪の場合、どんなことになりうるか?
③周囲の人への影響はどのようなものがあるか?
④そのリスクは自分、会社にとってどの程度の経済的負担となるか?
⑤リスクを減らすためにどのような投資を行うべきか?
一瞬のミスも許されない。そのため何をするにもストレスがかかり、常に追い詰められている感じがします。
そんな危険な状況を抜け出して、人間らしい余裕を取り戻すために仕事でもプライベートでも、バッファを組み込むことを意識しましょう。
小さな1歩を積み重ねる(前進)
書籍では犯罪を未然に防ぐ取り組みを例に出し、刑を重くしたり・法律を厳しくしたり、罰を与える事にばかり着目せず「良い行い」に目を向けるというアイディアです。
・ゴミを投げ捨てず、ゴミ箱に捨てる
・バイクに乗る時はヘルメットをかぶる
・スケートボードは決められた場所で乗る
・学校に遅刻しない
そんなささやかな善行に対して、ポジティブチケット(善行切符)を発行するという試みをしました。
そしてポジティブチケットは、映画館やコミュニティーセンター、ボーリング場などに無料で入場できるという引換券の役目を持たせることにしました。
若者達に居場所を与えることもできて一石二鳥。
そして、10年後に青少年の再犯率が60%から8%に下がったそうです。
良い行いが認められるたびに、若者たちはもっと良いことをしようという気持ちになり、そのうちいいことをするのが当たり前になっていったのです。
だからあなたも出来るのじゃ。
人のささやかな進歩が飛躍的な達成へと繋がる
人間のモチベーションに対して最も効果的なのは「前に進んでいるという感覚」。
小さくても前進しているという手応えがあれば、未来の成功を信じられ、そのまま進み続けようという力になります。
人間の意欲を高める主要因は「達成」と「達成感が認められること」。
職場において感情・モチベーション・認知を高める諸要素の中で最も重要なのは「進歩しているという手応え」。
小さく始めて、小さな成功を褒めて、地道な進歩を促進する事がコツ。
部屋の掃除をした!
‥というような事でもドンドン自分を褒めていきましょうぞ。
最小限の進歩を重ねる
「完璧を目指すより、まず終わらせろ」という言葉があります。
重要じゃない事に気をとらわれず、本質をやり遂げろという意味です。
MVP(実用最小限の製品)。
顧客にとって有用なことを最低限実現するには?と考え、余計なことをしないと言うやり方です。
これを応用して「実用最小限の進歩」というやり方を取り入れてみましょう。
重要なことをやり遂げるために「最低限意味のある進歩は何か?」を考える。
少しずつ進むから無駄な努力をしなくて済むのです。
早く小さく始める
締め切り間際になんとか終わらせるのではなく、早く小さく初めて、軽い負担で終わらせるのです。
自分が今抱えている目標や締切を思い浮かべて「今すぐできる最小限の準備は何だろう?」と考えてみる。
例えば、4分だけやる。終わったらファイルを閉じる。長すぎてはダメ、大事なのは始めること。
前もって全てを終わらせておく必要はありません。ほんの少し準備をしておけば余計な苦労をしなくて済むという考えです。
進歩を目に見える形にする
日々の進歩に小さな印を付けていく。
小さく始めて、日々の小さな進捗を評価する。それを何度も繰り返す。
最初から壮大な目標を立てるより、その方がずっと遠くまで行ける。
今何が重要かを考える(集中)
過去や未来など、目の前にないものばかりが頭につきまとうという現象に身に覚えがありませんか?
そしてその結果、目の前の大事なことが疎かになるという事実も忘れてはなりません。
古代ギリシャに2つの時間を表す言葉「クロノス」と「カイロス」があります。
「クロノス」は時計の針の動き、そのままの時間を意味しています。
「カイロス」はちょっと違った時間の性質を意味しています。
好きなことに夢中になって気づいたらあっという間に時間が経っていたり、逆に退屈な時間を長く感じたりすることがありませんか?
こういったその人その人の持つ主観的な時間感覚が「カイロス」です。
未来や過去は想像の中にあるだけで、決して触れられません。
私達には今しかなく、私たちの行動が何らかの力を持つのは今ここにおいてだけ。
「カイロス」は今この瞬間にしか存在しません。
過去や未来ではなく考えるべきやるべきは「今」。
今何が重要かを考え、リストアップする
やることがたくさんあって、何から手をつけていいのかわからない場合は、一旦考えるのをやめること。
「今この瞬間に何が必要か?」考える事。
今すぐやる事以外はすべて線を引いて消してしまう。
「次に今すぐ必要はないけれど重要なこと」「この先やりたいこと」をリストアップします。
うまく形になってなくてもいいので、とにかく頭の中にあるものを紙に書き出していく。
頭の中に未来のことが詰まっていると、今この瞬間に集中できません。
紙に書くことの効果は2つあります。
「良いアイデアを忘れないこと」
「覚えてるうちに何かやらなくては、という漠然とした焦りを感じなくて済むこと」
それが終わったら、今すぐやるべきことのリストに優先順位の番号を振って順番に片付けていく。
1度に一つのことに集中し、終わったら線を引いて消していきます。
今すぐやるべきことを全て手際よく終えれば、安心して眠ることができる。
エッセンシャル思考で「今この瞬間を生きる」
東洋瞑想をベースにしたマインドフルネスは、今この瞬間の自分の体験や気持ちのみに意識を向ける「瞑想」に似た方法。
「今、ここ」を感じられるようになれば、パフォーマンスは何倍にも高められ、大きな喜びを知ることができる。
99%を捨てて1%に集中する、エッセンシャル思考を生きることは後悔なく生きることです。
本当に大切な事を見極め、そこに最大限の時間とエネルギーを注げば、後悔の入り込む余地はなくなります。
豊かで意味のある人生を選ぶか、それとも苦痛と後悔に満ちた人生に甘んじるか。
人生の分かれ道に直面したら「本当に重要なのは何か?」を問いかける。
それ以外のことは全て捨てていいのです。
悪い癖を正しい習慣に変えるには?
決まった行動を正確に繰り返し、習慣化すること。
「習慣」は妨害に打ち克つための最強の武器です。
本質的な目標に向かう習慣をつけてしまえば、無駄なエネルギーを使うことなく、無意識のうちに目標を達成できます。
まとめ
見極める力
捨てる勇気
今この瞬間を生きる
今何が重要かを考える
すでに実践している事も多かったですが、より理解が深まりました。
「非エッセンシャル思考=意識高い系」「エッセンシャル思考=意識低い系」だという事が分かりました。